Zuora の高頻度更新かつ膨大なマニュアルサイトの多言語化に、WOVN.io と一緒に取り組んだ工夫 ~ 運用工数をかけずに、ポストエディットを活用 ~

  • 課題

    - 日本での市場展開が加速するなか、マニュアル等の日本語化の要望が寄せられていた

    - 既存のマニュアル数は膨大で、更新・追加も日々行われるため、人力翻訳は運用が現実的ではなかった

    - 大事な情報は正確に伝えるために、一定の翻訳品質レベルを保ちたい

  • 解決策

    - ページの重要度毎に、機械翻訳、ポストエディットの品質レベルを策定

    - ポストエディットの翻訳品質レベルをすり合わせ、一定品質を出せる体制構築

    - WOVN.io の自動運用機能により、英語・日本語の同時公開

  • 結果

    - マニュアルの翻訳に、社内のリソースを割く必要がない

    - 膨大かつ高頻度に更新されるマニュアルが、公開と同時に英語・日本語で閲覧可能に

    - 日本からアクセスするユーザーの 70% は日本語で閲覧

本社米国をはじめ、世界各国で導入されているサブスクビジネスの収益向上を支援するグローバル企業、Zuora。SaaS ビジネスならではですが、大量に更新・リリースされる機能説明をどれだけ迅速にユーザーに届けるか、は大きな課題となります。Zuora ではそれらの情報を Web サイト上のナレッジセンターで発信しています。今回は、膨大かつ頻繁に英語で作成・更新されるナレッジセンターをどのようにして迅速に日本語展開したのか、WOVN.io を採択した理由など、様々なお話をお伺いしました。

 

ナレッジセンターは Zuora にとって必要不可欠なページ

Zuora は企業がサブスクリプションへとビジネス変革する際に必要な全プロセスを一つのプラットフォームとして提供しており、企業の収益向上・コスト削減を支援しています。見積書・価格設定・契約管理・請求・回収・レポート分析・収益認識・会計仕訳などを中心に提供しています。
私はカスタマーサポート部門のディレクターとして、Zuora を導入している企業様からの問い合わせの対応、プロダクトのトラブル対応などを行っています。

WOVN.io を導入したのは Zuora の機能やプラットフォームに関する情報が掲載されている『ナレッジセンター』です。


(Zuora のナレッジセンター)

ナレッジセンターには Zuora の機能の使用方法や各機能に関連する設定、プラットフォームに関する情報等、幅広い領域の情報が掲載されています。Zuora 自体は、戦略意思決定に利用される経営トップ層から、バックオフィス業務の担当者まで様々な方にご利用いただいていますが、ナレッジセンターは、主に導入や運用を行う IT 部門や請求や売上確認を行う経理部門の担当者の方から閲覧されることが多いですね。また、すでに導入いただいている企業様だけではなく、これから導入を検討している企業様が見られる場合もあり、Zuora にとっては非常に重要な顧客接点のひとつです。

 

マニュアルを迅速に日本語化して発信することは、日本市場への展開には必要不可欠

WOVN.io を導入した時期は2020年5月でした。もう1年以上前になりますね。
Zuora は現在アメリカを中心に世界各国の企業に導入されています。もともとアメリカ・ヨーロッパなど英語圏の企業様のご利用が多かったため、ナレッジセンターは英語のみで対応していました。ですが、日本企業のお客様へも導入され始めたこともあり、社内で日本語対応の検討が始まりました。同時に、日本企業様からも「日本語対応してほしい」と要望が多数あがってきたので、ナレッジセンターを日本語で展開することを決定しました。海外企業の日本進出における「日本語でのサービス展開」は大きな課題でもありますよね。

とはいえ、ナレッジセンターにはすでに膨大なコンテンツが掲載されていましたし、新規リリースの説明追加や既存コンテンツ修正などは頻繁に行われるものなので、人手で翻訳するのは到底不可能だと思いました。
Web サイトの多言語化、運用負荷が低い、一定の翻訳品質を維持できる仕組み、など必要な課題を考えながら、いろんなベンダーを検討していた中で、WOVN さんに出会いました。

高頻度更新かつ膨大なマニュアルを英語と同時に日本語で公開しながら、一定の翻訳レベルを担保できるのは WOVN だけ

ナレッジセンターの多言語化において、WOVN.io を採択した理由は5つあります。

1. 新規コンテンツを、英語・日本語で同時に公開できる
2. ポストエディットにより、一部コンテンツは一定の翻訳品質を維持できる
3. 大量のポストエディットの運用体制を WOVN 内で保持している
4. 用語集機能を使用すれば Zuora 特有・業界特有の専門用語も指定の用語に翻訳でき、誤訳を防ぐことが可能
5. ライブエディター機能で実際のページを見ながら翻訳・レイアウト修正をすることができる

特にポストエディットの運用に関しては、私たちにも知見がないことから、品質のすり合わせやポストエディット結果の確認フローなど、翻訳運用に関して色々支援いただけたことは助かりました。

また、ポストエディットといえども、全てのコンテンツに対応しようとするとそれこそ何百万文字では効かないと思いますので、対象範囲をどうするか、なども決めないといけませんでした。そこで、ポストエディットの活用方法についてもしっかり認識合わせをして進めさせてもらいました。具体的には、

(1) ポストエディットに求める品質レベルのすり合わせ
(2) ポストエディット対象の選定
(3) ポストエディット実施
(4) ポストエディット結果の確認
(5) 公開

という流れで進めました。手順で書くと単純ですが、品質レベルのすり合わせではいくつものセンテンスを選び、機械翻訳・ポストエディット・人力翻訳を比較し、「5段階評価の3レベル」という基準値を策定し、双方での認識のすり合わせを行いました。コンテンツによって翻訳レベルにバラつきがあまり出ないように、何度も何度もすり合わせをさせてもらいました。おかげさまで、私たちが思うような翻訳レベルが担保され、満足のいく結果となりました。

目指すべき翻訳品質を決めたことで、確保している要員でどれくらいのスピードが出せるかも予測することが出来るようになりました。そこで次の段階として、どのページをポストエディットするか、機械翻訳のままでもよいか、を判断することになります。
今回は、限られたリソース・期間でもあることから、特に日本の企業様からよく見られているページ、Zuora としてもしっかり内容を伝えていきたいページに絞り込みました。それでも100万文字近くになっていたかと思いますが(笑)。
一定の翻訳品質基準を双方ですり合わせられているので、ポストエディット結果の確認では概ね修正戻しは少なかったと思います。

また WOVN.io のライブエディター機能を使うことで、実際の画面を見ながらデザイン崩れなどを意識した翻訳修正ができるのはありがたかったです。特にアルファベット文字から漢字圏の文字変換は、文字の長さが変わるので、デザイン崩れが発生しますよね。デザイン崩れを修正するには CSS から修正が必要になりますが、CSS を触れる知識が必要な上、日本語・英語どちらの場合でも対応可能なデザインを意識した修正は面倒ですよね。それが、ライブエディター機能を使うと直感的に作業ができるのでとっても助かりました。修正したら、即座に反映ができる、これはほんとに便利です。

WOVN.io 導入からポストエディットの運用を整理すると下記のような流れですね。


(翻訳のレベル合わせのフロー図)

 

日本からアクセスするユーザーが日本語でコンテンツを閲覧

ナレッジセンターを日本語で公開してから「顧客からの問い合わせ内容が変わった」と感じることが多々あります。英語でのみ公開していたこれまでは、基本的な使い方についての問い合わせが多かったのです。今は「説明にはこう書いてあるけど、◯◯ということですか?」というように、母国語でコンテンツを閲覧できるようになったことで、内容を把握した上でのもう一段階深掘りした問い合わせが増えてきたように思います。

また、日本語で公開しているマニュアルもまだまだ多くは機械翻訳で自動公開していますが、英語から日本語への機械翻訳の品質も悪くないようです。日本からアクセスするユーザーの約70%が日本語を選択してマニュアルを読んでいますし、再度英語へ切り替えて読み直すユーザーの割合もわずか15%ほどなんです。やっぱり日本のユーザーには、日本語で情報発信した方が読んでもらえるんだなと。

初期導入時に過去のマニュアルのうち必要な分のポストエディットは終わったので、現在は追加コンテンツの自動運用を行っています。海外に在籍しているドキュメンテーションチームが、製品機能の担当部門と打ち合わせをしてコンテンツのアップデートを行い、新たなマニュアルが追加されると、機械翻訳でまずは自動公開しています。そこで自分たちでチェックをしたり、ご利用の企業様からご指摘を受けた際などに修正して対応しています。
ドキュメンテーションチームに翻訳リソースを割いてもらう必要もないですし、全て人力翻訳をするコストも掛けずに運用できていて助かっています。

 

日本企業のサブスクビジネスへの変革に貢献し、収益貢献につなげる企業へ

Zuora を導入している各国企業はプライシング、見積もり・契約・請求、KP Iなどの他に、サブスクリプションの収益認識、会計計上において活用されているケースも多く、関連コンテンツもたくさん掲載しています。
他の国が先行して成功しているサブスクリプションのビジネスモデルを、ナレッジセンターを通じて日本企業にも提供していくために、今後はさらにコンテンツを充実させていきたいと思っています。

今は英語、日本語で公開していますが、今後たくさんの企業にご利用いただくことで日本語以外の要望があればもちろん検討したいと思っています。そのときも、サポートよろしくお願いします。

 

(2021年8月)

関連の導入事例はこちら

    詳細