DNPの新規事業は海外アクセス2倍へ。日本のコンテンツを学べるクリエイター共創サービスを世界へ発信。

  • Subject

    - 外国人の関心も高いポップカルチャーの学習サイトなので多言語化の必要性があった

    - スクラッチ開発よりも、機能と実績のある翻訳サービスを探していた

  • Solution

    - ページや機能ごとに多言語化の有無を選択できるWOVN.ioを採用

    - エンタメ領域が故の単語や名称も、WOVN.ioだから簡単に修正

  • Result

    - 海外からのアクセスが2倍に。データが集まり社内議論も活性化

    - 機械翻訳を中心に、一部を修正するシンプルな運用体制を構築

「あこがれに近づく」をキャッチフレーズに、日本のコンテンツについて深く学び楽しみながら体験できるDNPクリエイター共創サービス「FUN’S PROJECT」を運営する大日本印刷(以下「DNP」)。WOVN.ioで多言語化し、海外アクセスが増加したというお話を伺いました。

動画や記事で日本のコンテンツを学べるクリエイター共創サービス

浅羽: DNPはFUN’S PROJECTという、複数のプロジェクトから構成されているクリエイター共創サービスを2017年から運営しています。まずはFUN’S PROJECT COLLEGE(以下「カレッジ」)。これは主に記事や動画を使ってイラストや漫画、アニメーションを学べるオンライン学習サービスです。「あこがれに近づく」というキャッチコピーを掲げ、クリエイターを目指す日本人・外国人に使っていただいています。今回WOVN.ioを使って多言語化したのは、このカレッジです。

また姉妹サイトにあたるFUN’S PROJECT MARKETというECも運営しています。我々DNPは印刷会社ですので、従来の販売サイトとしての機能以外にオンデマンドプリントを軸にした、キャラクターやイラストをレイアウトしたオリジナルアイテムを作れるというサービスです。例えば前にキャラクター、後ろにロゴが配置されたTシャツやトートバックを作れます。最終的にはカレッジで学んだことを活かし、自分で素材を登録して世の中に買ってもらう。活躍の場を提供したいと思っています。最後に東京アニメセンター in DNPプラザ。こちらでは体験型の展示やオリジナル物販の制作販売、イベントの企画運営を行っています。

FUN’S PROJECTは、単にビジネスをするだけでなく、さまざまな業界の方を巻き込みながらDNPの新しい価値を創造し、ブランディングしていくチャレンジングな事業であるという自負をもって運営しています。

テキスト(FUN’S PROJECT COLLEGE 公式サイトより)

外国人も使うサービスだから、早くから多言語化を意識

浅羽:とくにカレッジについては、BtoCでクリエイターを育成するというDNPとしても新しい試みです。もともとエンタメ領域の仕事をしていた社内の人間が集まって、この領域で何か新しいことをしていきたいという想いから始まりました。

今は個人でもネットで勉強することが珍しくなくなってきている時代。学習の仕方が変わってきているんですよね。そんな中、業界関係者からはクリエイターの教育の場と制作の現場でミスマッチが起きているという話が出ていました。その業界課題をチャンスと捉え、カレッジの運営に踏み出しました。

カレッジは日本のポップカルチャーを学べる場になっています。日本だけでなく海外からの注目度が高いのも特徴で、アジア圏を中心に、世界中で日本のアニメーションや漫画の描き方、イラスト技術や演出を学びたいという方はたくさんいます。そのため最初から海外展開は視野に入れていて、早い段階から多言語化は検討していました。

DNPとしては自分たちで多言語化システムを作るという案もあったのですが、なんでもかんでもゼロからやるわけにはいきません。もしカレッジの要件を満たせるサービスがあったら導入したいと思っていたのですが、そのときに出会ったのがWOVN.ioです。

テキスト(FUN’S PROJECT 発案者の浅羽さん)

浅羽:WOVN.io採用の決め手はページ単位で言語切替が選択できたり、逆に個人情報は多言語化しないことを選択できたりする点でした。また、FUN’S PROJECTはエンタメを扱っているということもあって、とくにキャラクター名や作品タイトルなど、機械翻訳ではうまく翻訳できないことも多いんです。そのため一つひとつ単語を修正したり、単語登録する必要があったのですが、WOVN.ioではそれらも用語集で簡単にできる点が使い勝手がいいと感じています。導入事例がたくさんある点も信頼できるポイントでした。

福富:導入に際して、技術的な検証はすぐに終わりました。公開に向けての用語集などの準備は1ヶ月ほどでしたね。ページ数も多かったのでWOVN.ioサポートの方にはだいぶ助けられました。運用に関しては、新しいコンテンツを登録する際に固有名詞の登録だけは人の手で行なっています。

現時点でWOVN.ioの自動翻訳以外の翻訳を実装する予定はありません。コンテンツによってテイストが違うので一貫した翻訳は難しいですし、コンテンツが増え続ける中での翻訳はコストがかかります。もちろん完璧な翻訳とは言えませんが、機械翻訳であることも明示しているので、ユーザビリティも問題ないようです。翻訳についての問い合わせはいまのところ来ていません。

テキスト(バックエンドを担当された福富さん)

浅羽:逆に中途半端に精度の高いものを提供し続けると、翻訳に対する問い合わせも増えるでしょうね。カレッジはここを機械翻訳ですと割り切っています。コーポレートサイトやブランドサイトでは話が変わってくると思いますが、「楽しく学習できる」ということに注力しています。利用者様にはご理解いただいていると思っています。

多言語化してからサイトアクセス数が増加

浅羽:おかげさまで会員数も増えてきていますが、実際WOVN.ioで多言語化してから、海外からのアクセス数が2倍に増加しました。もともと外国のお客様がそこまで多いわけではなかったのですが、トップビューでいうと英語圏がグッと目立ってきています。日本語だけだった時よりもスムーズに入ってこれたり、サイト内の回遊にも繋がっていると思います。 そのため、どこの国やエリアをターゲットとしていくかという社内議論の参考にもなっています。

コンテンツを文化として残していくために多言語化を

浅羽:多言語化したと言っても、海外進出についてはまだまだこれからです。 実はカレッジにある300くらいの記事・動画コンテンツを購入・展開したいという海外の代理店や教育関連の企業や団体からの問い合わせがここ半年増えています。コンテンツを二次流通できる可能性も出てきているのです。

また、カレッジのコンテンツを作ってくれる講師側も、「もっと教えたい」と言ってくれているんですよね。ただ仕事もあり時間的制約もある。職人の世界なので見て覚えて下さいという一面もあります。とはいえカレッジに来れば、講師が残したコンテンツを元にクリエイターのセンスやスキルが培われていき、「貢献した」という講師側のモチベーションを上げることで、コンテンツを文化として残していく一助になると思います。

FUN’S PROJECTがあるから日本で働くことができましたという方が増えてくれれば嬉しいですよね。日本人はもちろん外国人も、あこがれの人に近づいて何なら先人を超えるスーパースターになっていただきたい。そのためにはDNPも、多言語化は頑張らないといけませんね。

(2019年10月)