越境ecのショッピングカートaspって?


インターネットを活用して海外へ出店する「越境ec」の市場が急拡大しています。越境ecを始める時には、翻訳や決済方法など様々な問題がありますが、「どのようなシステムを構築して始めるか」ということも非常に大きな問題のひとつではないでしょうか。越境ecのシステムには、自社でゼロからシステムを構築する「フルスクラッチ」と呼ばれる方法から、インターネット上の仮想商店街「モール」を利用するなど様々な方法があります。

この記事では、比較的低コストでしかも手軽に始められる方法として、ショッピングカートaspについてまとめてみました。

 

そもそもaspとは

そもそも、aspとはどういったものなのでしょうか?
aspとは、「Application Service Provider」の略で、インターネットを活用してアプリケーションを利用するサービスのことを指します。

これまでソフトウエアを利用したサービスを受ける場合は、自社のパソコンにそのソフトウエアをインストールして利用する方法が主流でした。aspはインターネット回線で利用したいアプリケーションを所有している会社と繋がることで、サービスを利用することができるのです。

特定のアプリケーションをインターネット上で使用するという性質上、個々のパソコンで利用するのではなく、主に企業が複数人で共有して利用するものとして広まりました。職員間での掲示板や顧客情報の管理などで活用されています。

近年では、徐々に細かい部分まで利用される範囲が広がってきており、ワープロソフトや表計算ソフトといったオフィスソフトや、グラフィックソフトなどの今までは個々のパソコンにインストールされていたものまで、aspを利用したサービスが展開されています。越境ecにおけるaspの役割としては「ショッピングカートasp」という言葉があるように、サービスを提供している企業にレンタル料を払うことで、越境ecを行うことができるアプリケーションを利用することを指します。

aspのメリット・デメリットとは

aspを利用することの最大のメリットは、手間がかからず低コストで越境ecを始めることができるという点です。越境ecを始める方法としては、自社サイトを越境ec向けに作り変えるといった方法もありますが、それにはかなりの労力とコストが必要となります。

それに対して、aspは最初から出来上がっているアプリケーションを利用するため、短時間に事業を始めることが可能です。
コスト面に関しても、ゼロから作り上げることに比べると低コストで利用することができます。
また、一定の料金は必要となりますが、アップデートやメンテナンスといったシステム構築後に係る問題も、事業者側が行うことになるため、自社で対応する場合と比べると手間がかかりません。他にも、インターネットに接続できればどこからでもアクセスが可能であるということもメリットの1つです。

これらのメリットに対して、aspにおけるデメリットとして挙げられるのが、カスタマイズすることが難しいといった点です。
aspは既に完成しているアプリケーションを利用するため、自社の都合によってシステムを変更してもらうということはほとんど想定していません。中には、カスタマイズに対応してくれる事業者もいるようですが、費用が高額になる場合がありますので、基本的には既にあるシステムの中から自社に合ったサービスを選択しなければなりません。

 

aspにおける課題とは

aspにおけるメリット、デメリットには上記のようなものがありますが、いくつかの課題もあります。aspを利用するということは、外部に委託するという形になりますので、下記の点には注意しましょう。

注意する点としては、例えば、サービスを提供している事業者が倒産したり、サービスの停止をしてしまったりした場合には、他の事業者を探す必要があります。また、最悪の場合、ネットワーク接続の障害などによってデータが消失してしまったり、個人情報が流出したり、というリスクも全くないとは言えません。
個人情報の流出については、自社で対応することができる部分には限界がありますので、相手先の対策がどのようになされているのかをしっかりと確認する必要があります。また、データの消失については、定期的にバックアップを行い、aspを利用している事業者に対して依存しすぎないようにしましょう。

他の課題としては、先ほどデメリットで述べたようにaspでは自社の都合に合わせてカスタマイズするのが難しいという問題もあります。この問題については、基本的には自社にできるだけマッチしたサービスを探すことが解決策ですが、逆に「自社のやり方に効率が悪いところはないか」一度考えてみても良いかもしれません。ひょっとしたら、そのサービスの方法が一番効率の良い方法である可能性があるからです。

 

まとめ

越境ecの市場は年々拡大傾向にあり、その勢いは衰えるどころか加速しています。今後も中国や東南アジアなどの市場を中心に発展すると見込まれており、日本国内の市場が少子高齢化による人口減少により縮小していくことと相まって、さらに注目を集めています。

越境ecを始めて利用する人にとっては、ゼロからシステムを構築することは非常に難しい問題ではないでしょうか。手軽に始める方法にはモールを利用する方法もありますが、モールには競争が激しいという別の問題もあります。そのため、比較的低コストでサポートも充実しているaspを選択する企業も多いです。ショッピングカートaspには様々な種類がありますので、比較検討して自社に合った最良のサービスを選択するようにしましょう。


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