加速するインバウンドと越境ECの関係とは?


日本に訪れてお金を落としていってくれる外国人旅行者、いわゆるインバウンドが大きな盛り上がりを見せています。それと同時に注目されているのが越境ECです。インバウンドの加速が越境ECの市場拡大にもつながっているというのです。両者には一体どのような関係があるのでしょうか。

そこで、今後海外市場を見据えてのビジネスを考えている人の参考になるように、インバウンドの今後の動向予想とそれと連動した越境ECの可能性などについて解説をしていきます。

 

加速するインバウンドと越境ECの関係とは

そもそも越境ECとは何かというと、インターネットを用いて国際商取引を行うことです。企業が海外進出を行う際の手段のひとつですが、海外出店をするのと比べて低コストで実行可能だというメリットがあります。つまり、資金力が乏しい企業が低リスクで商圏を拡大するにはうってつけの手段だというわけです。
しかも、インバウンドの盛り上がりが越境ECの可能性をさらに大きなものにしています。一見、外国人が日本を訪れてお金を使うインバウンドと海外にいながらネットで日本の商品を購入する越境ECでは方向性が真逆なもののようにも思えます。

しかし、両者はそれぞれ独立したものではなく、極めて高い連動性があるのです。まず、旅行者は日本に訪れた際にさまざまな日本製商品を買って帰りますが、しばらくすると新たな商品が欲しくなります。その際に、国際商取引が可能な通販サイトがあれば、それを利用して日本製商品を入手することができます。

つまり、インバウンドが盛り上がれば盛り上がるほど、越境ECの市場拡大にもつながるというわけです。また、日本国内では訪日外国人に対して店舗販売を行い、帰国した外国人には通販をアピールすることで海外市場におけるオムニチャンネル化を進めていくことも可能です。そうすれば、店舗や通販を単体で行うのと比べて相互作用による商機の拡大が期待できます。

インバウンド(訪日外国人)の急増

訪日外国人の数は2000年代初頭においては年間500万人程度でした。それが2013年には初めて1000万人を超え、2016年には2400万人に達するという急増ぶりを見せています(※1)。その多くは韓国、中国、台湾といったアジアの人々で全体の7割以上を占めています(※2)。これは今世紀に入ってアジアの国々が豊かになった結果、海外旅行に対するハードルが低くなったためだと考えられます。そして、その訪問先として、円安が進み、距離的にも近い日本を選択する人が増えたというわけです。

また、電化製品や化粧品などといった日本製品に対する信頼性、アニメやゲームなどの人気、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食への関心の高さなども訪日外国人の増加の後押しとなっています。

さらに、外国人に対する観光ピザの発給条件緩和や免税対象品の拡大などといった政府の施策も効果を上げているようです。一方、日本を訪れた外国人の満足度も高く、観光庁の調査によると「また訪れたい」と回答した方の割合は9割を超えるとのことです。

その事実に加え、2020年に東京オリンピックが控えているということを考え併せると、訪日外国人の増加現象は今後もしばらく続いていきそうです。実際、日本政府は年間訪日外国人の数を2020年までに4000万人、2030年までに6000万人突破する目標を立てています。したがって、海外市場を見据えたビジネスを展開するうえでは、さらなる活性化が予想されるインバウンド市場をいかにうまく活用するかが成否のカギを握ると言っても過言ではないでしょう(※3)。

インバウンド(訪日外国人)の帰国後の動き

電化製品や化粧品などの買い物のために日本に訪れる外国人の数が増えているなかで、そうした人の多くは帰国後もインターネットを通じて日本製の商品を入手しようとします。

また、それだけではなく、SNSを使って自分の購入した商品を紹介するケースも少なくありません。SNSの情報は瞬く間に拡散するため、日本人のあずかり知らないところで特定の日本製商品が有名になっているという現象が起きてくるのです。

しかし、日本製商品の魅力を知ったからといっても、誰もが気軽に日本まで買い物に行けるわけではありません。いくら、海外で知名度が上がったとしても、それだけでは大きなビジネスにはつながらないわけです。そこで、せっかくの商機を逃さないために越境ECの存在が必要となってくるのです(※4)。

 

インバウンドEC・越境ECが盛り上がる理由

日本国内に限定したインバウンドECと海外向けの越境ECの内で、先に盛り上がりを見せたのはインバウンドECのほうです。
長引く景気低迷のなか、インバウンドECは外国人を日本に呼び寄せ、国内経済を活性化させる手段として注目を集めました。そして、各企業の努力にもよって、海外における日本ブームという形で結実していきます。

その一方で、越境ECに関してはどの企業も消極的な姿勢が続きました。なぜなら、外国語を習得している人材は限られており、そのなかで自社サイトを運営していく難しさがあったからです。また、日本とは異なる商習慣、法規制、クレーム処理などといったものも越境EC参入の障壁となっていました。

しかし、2015年には楽天が中国に向けての越境ECを展開し、事業の拡張を目指したことにより、その存在は無視できないものとなりました。さらに、楽天は越境ECのシステム自体も手掛けて「外国語ECサイトの開設」「輸出伝票の作成」「決済の仲介」などといったサービスを開始するようになったのです。そのため、これまで越境ECに及び腰だった企業も、それらのサービスを利用して参入に積極的な姿勢を見せ始めたというわけです。こうしたことから2015年は「日本の越境EC元年」と呼ばれ、今後の飛躍にも期待がもたれています(※5)。

 

インバウンドEC・越境ECの盛り上がりに合わせ多言語サイトを作成しよう!

来日外国人の増加とともにインバウンドECと越境ECの必要性は高まり、海外ビジネスを展開する上でなくてはならない存在になってきています。来日外国人の数はこれからも増加の一途をたどると考えられているために、海外市場を視野に入れている企業には一刻も早い対応が求められます。

そのなかでも、特に重要なのは自社サイトを多言語サイトに作り替えることです。ただ、社内の限られた人的リソースでそれを行いのは難しいかもしれません。そういう場合は、多言語サイトの制作を請け負うサービス業者に依頼することをおすすめします。海外市場にも対応できる体制を着実に築きながら、ビジネスチャンスの拡大を図っていきましょう。

 

※1.【JTB総合研究所】インバウンド 訪日外国人動向 https://www.tourism.jp/tourism-database/stats/inbound/
※2.【ANA Travel &Life】外国人観光客数 年別・国別ランキング https://www.ana.co.jp/travelandlife/infographics/vol08/
※3.【リクナビNEXTジャーナル】ニュースの「なぜ」を徹底解説!「インバウンド」――訪日外国人はなぜ急激に増えているのか? https://next.rikunabi.com/journal/entry/20170302_T
※4.【ネットショップの壺】インバウンドと越境ECは「オムニチャネル」な関係!訪日外国人の帰国後と発信ポイントに注目しよう! https://www.ec-cube.net/tsubo/2016/02/03/4368
※5.【キーマンズネット】インバウンドECと越境ECが注目される背景 http://www.keyman.or.jp/at/30009511/


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