カタカナEnglish :サイダー&Cider


これって同じ意味?日本と英語で意味が異なる単語を紹介する「カタカナEnglish」。
毎週火曜日に配信します。

サイダー&Cider

今週は「サイダー」と「Cider」です。
日本で「サイダー」は炭酸の入った無色透明の清涼飲料水全般を指しますが、サイダーの語源である「cider」は英語圏でリンゴ酒を意味します。またアメリカでは一部地域を除き「cider」は炭酸入りのリンゴジュースのことで、リンゴ酒のことは「 hard cider」 と呼びます。
日本のサイダーにあたる炭酸飲料を英語では「soda pop」「soda」と言います。日本ではリンゴ酒のことを「シードル(cidre)」と言いますがこれはフランス語からきています。

 

なぜこのような意味になったか?

英国のノース&レイ商会が横浜に最初の店をオープンした1868年、パイナップルとリンゴのフレーバーをつけた炭酸飲料である「シャンペン・サイダー」が日本で最初のサイダーとして販売されました。在留外国人向けの商品でしたが、日本の上流階級の人に好まれたそうです。

1875年には日本のメーカーから「金線サイダー」が発売され、1899年には王冠を使用した瓶入りのサイダーが登場し、日本で本格的に流通した最初のサイダーとなりました。この商品は「シャンペン・サイダー」と異なりパイナップルのフレーバーを用いずリンゴのフレーバーのみで作られていて、シャンペンを除いた「サイダー」という商品名になったとされています。

 

サイダー豆知識

太平洋戦争以前から全国規模で販売されていた、無色透明炭酸飲には、現在の大手ビールメーカー3社が製造した、三ツ矢サイダー(現:アサヒビール)、リボンシトロン(現:サッポロビール)、キリンレモン(現:キリンビール)の3銘柄がありますが、林檎系香味の本来の意味である「サイダー」は三ツ矢サイダーのみです。リボンシトロンとキリンレモンは柑橘系の香味となり、厳密な意味でサイダーではなく、古くはサイダーと区別されて「シトロン」と呼ばれていましたが、現在「シトロン」の名称は廃れて一般的には「サイダー」として認識されています。

 

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