2月2回目のWeekly Roundup。
「多言語化・翻訳・テクノロジー」に関するニュースをWOVN.ioチームがピックアップ。毎週金曜日にお届けします。
【生かせ!知財ビジネス】特許情報機構 AI研究センターを新設
(Sankei Biz)
日本特許情報機構(Japio、東京都江東区)は1日、「知財AI研究センター」を新設。特許庁の審査や企業の知財調査で知財情報を扱う際に人工知能(AI)を活用するための研究・開発を開始した。
新センターは専門分野を「特許情報」「商標」「機械翻訳」に分けた3種類のAIチームを置き、総勢20人体制で運営する。特許情報AIチームは「特許文献を対象とした先行技術調査にかかる検索や評価・分析」、商標AIチームは「商標(文字・図形)の検索や解析」、機械翻訳AIチームは「(特許文献などの)機械翻訳のさらなる高品質化」を目標に、AIの有効活用方法を確立する。成果は同機構のサービスとして提供していく。
世界各国の言語で書かれた特許文献を迅速かつ正確に翻訳するエンジンは期待されており、昨年11月、台北で開かれた「アジア翻訳ワークショップ」(WAT)で独自のコーパス(対訳データ)を用いたニューラル機械翻訳エンジンが1位を獲得したそうです。この「特許」という専門性の高い分野に絞ってさらに研究されていくとのことで、注目が集まります。
翻訳会社の十印、機械翻訳サービス「Gen-pak」を発表 Google NMTのセキュアな商用利用が可能に
(Sankei Biz)
企業向け翻訳サービスを提供する株式会社十印(本社:東京都港区、代表取締役社長:日下部 優、以下 十印)は、Google社の提供するニューラル機械翻訳エンジン(以下 NMT)をセキュアに使用できる「Gen-pak(玄白)」の発売を発表しました。
リリースは2018年4月予定です。NMTでは、訳文は非常に流暢ですが、訳語が統一されないという難点があります。十印は独自の手法「T-term」によりこの問題を解決。お客様指定の用語集を適用して訳語統一を図ることが可能になりました。
ニューラルネットワークの機械翻訳は、訳文は非常に流暢になりましたが、訳語統一されないという難点があり、同一センテンス内で同じ単語が異なった訳に出力されることもありますが、それを解決できるようになるとのこと。Google Translate の商用利用については様々な意見がありますが、Google 側で一翻訳データとして集積はされるものの、そのデータ通信が漏洩することは考えにくいです。そこを懸念して世界的スタンダードな翻訳エンジンの利用を遠ざけているケースがあることは少しもったいない気がしました。
スカパーJSATが訪日外国人向け外国語chアプリ、多言語災害情報も計画
(IT pro)
スカパーJSATは2018年2月5日、海外有力放送局の無料ライブストリーミングを集約したスマホ/タブレット向けアプリ「Portable News」の提供を開始したと発表した。提供開始日は2018年1月19日。アプリのインストール、利用ともに無料で提供する。
スカパーJSATは、日本語に不慣れな外国人旅行者が日本滞在中でも自国に関する情報や出来事を母国語で簡単に視聴したいという需要があると見込んだ。アプリの利用者は、ニュースなどのチャンネルをいつでも母国語で視聴できるようになる。
公開時は13言語で展開するとのこと。またこのアプリには、自然災害発生時に訪日外国人が災害情報から孤立しないように、多言語による災害情報の受信機能の搭載も予定しているそうです。インバウンド旅行客の増加に伴い、度々話題となる災害情報や緊急避難情報などの多言語化ですが、こういったアプリ内で解決することもできそうです。
WEBサイト多言語化サービス「WOVN.io」がお届けしました。
次週もお楽しみに。