2月に入りました。1回目のWeekly Roundup。
「多言語化・翻訳・テクノロジー」に関するニュースをWOVN.ioチームがピックアップ。毎週金曜日にお届けします。
Facebook、多言語へのAI対応を迅速化へ
(CNET)
FacebookのApplied Machine Learningチームは、多言語の埋め込み技術を利用して、Facebook上の人工知能(AI)ツールをより多くの言語に拡張し、AI製品の新言語への対応を迅速化する計画について詳細を明らかにした。
多言語の埋め込みは、自然言語処理(NLP)によるテキスト分類を用いた他のアプローチに比べて、全体の遅延を20〜30倍短縮できると説明した。Facebookはこの手法を、NLPを多くの言語に拡張する優れた方法と呼んでいる。
「多言語の埋め込み」という手法について詳しくは記事を見ていただきたいのですが、従来の方法では言語ごとに分かれた大量の訓練用データを収集するか、あるいは大量のデータを英語で収集し、英語の分類子を訓練してから、それを他の言語に翻訳していたが、この方法よりも30倍近く遅延を短縮できると述べています。
さらにはこの方法のほうが正確性にも長けているといいます。
世界中で使われているSNSだからこそ、言語の壁に対する取組は最先端と言えるかもしれません。
劇団四季「ライオンキング」でスマートグラス使用 多言語字幕サービス開始
(IT media)
劇団四季とエプソン販売、イヤホンガイド、エヴィクサーは1月31日、ディズニーミュージカル「ライオンキング」の札幌公演(北海道四季劇場、札幌市中央区)で、スマートグラス「MOVERIO」(モベリオ)を使用した多言語字幕サービスを2月27日に開始すると発表した。
使用するスマートグラスはエプソン販売の「MOVERIO BT-350」。MOVERIOは、独自開発のシリコンOLED(有機EL)ディスプレイで、表示枠を意識させない映像表現が可能。「字幕が空間に浮かんで見える」感覚で作品鑑賞への没入感を高めるという。
このサービスのいいところは、外国人への対応はもちろん、聴覚障害者にも使ってもらえるという点です。
音響通信技術の開発はエヴィクサーが担当し、「暗号化したデータを埋め込んだ特殊な音(透かし音)」やデータベース上に保存している音の「特徴点(フィンガープリント)」をスマートフォンやスマートグラス、ロボットなどの端末が自動認識することで、それらの端末をリアルタイムにコントロールできるそうです。翻訳自体は事前に用意し、それを音響に合わせて表示する技術のようです。もし、音声同時自動翻訳機能が発達すれば、こういった舞台以外にもライブやシナリオのない即興などで利用できるようになることでしょう。
ピーチ、AIチャットで7言語対応 問い合わせ8割超を自動応答
(Aviation Wire)
ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は1月30日、AI(人工知能)を活用したチャットによる自動応答サービスを、これまでの日本語に加えて英語や中国語など7言語に拡大したと発表した。ウェブサイト上で利用者から寄せられた質問に、AIがチャットで自動応答するもので、アジアを中心とした訪日客の急増に多言語化で対応する。
日本語のみで運用していたものを、英語と中国語の繁体字と簡体字、広東語、韓国語、タイ語と、就航地の全言語に対応を拡大したとのこと。質問パターンをデータとして蓄積していることから、各言語への翻訳もリアルタイム自動翻訳ではなく、事前にデータとして登録しているのかもしれません。日本の航空会社では初の試みのようで、今後の航空業界の多言語対応に注目していきたいです。
WEBサイト多言語化サービス「WOVN.io」がお届けしました。
次週もお楽しみに。