営業の効率化を図るツールとして、さまざまな営業支援ツールが導入されるようになりました。マーケティングオートメーション（MA）もその1つです。大量の顧客情報を管理、育成し、マーケティング活動を効率化できる手法として注目を集めています。特にBtoBでは、すでにSFAやCRMを導入している企業も多く、これらのツールとマーケティングオートメーションを連携させることで、さらなる営業効果が期待されています。
ここでは、マーケティングオートメーションについて詳しく解説します。
マーケティングオートメーションツールとは
マーケティングオートメーション（MA）とは、2000年代からアメリカを中心に存在していた概念で、商談化前の顧客情報を管理し、営業につなげていくという考え方です（※1）。
複雑化する顧客情報の管理を自動化して、マーケティング活動を効率化してくれるのが、マーケティングオートメーションツールということになります。このツールをSFAの補完ツールとして導入することで、潜在的な顧客を営業につながるように効率的にアプローチすることができるのです。 たとえば、展示会で自社製品に興味を示してくれた人や、資料請求を行った会社、サイトの閲覧情報など数多くの顧客情報があります。
このような膨大な顧客情報のなかから、顧客の状況や属性に合わせて、ターゲットごとに営業に結び付くようなアプローチを行っていきます。適切なアプローチを行うことで、顧客の購買意欲を高めることが狙いです。マーケティンオートメーションツールは、この作業を自動化することで効率化を図ることができます。
マーケティングオートメーションツールのメリット
マーケティングオートメーションツールをまだ導入していない企業では、どのように顧客情報を管理しているのでしょうか。
名刺交換や問い合わせなどで得た膨大な量の顧客情報を、エクセルで企業ごとに管理している場合を想定してみましょう。メールで新たな情報を配信するときに、手作業で潜在的な顧客のメールアドレスを抽出することになります。顧客情報が多ければ多いほど手間がかかるのです。さらに、人が行う作業には漏れがあるかもしれません。
マーケティングオートメーションツールなら、このような手間のかかる作業を瞬時に行うことができます。また、これまで企業ごとに管理していた顧客情報にも、担当者や部署によってニーズや行動が変わってくることがあります。手作業では限界がある個人ごとの顧客情報の管理も、マーケティングオートメーションツールなら自動的に管理し、営業につなげることができるのです。つまり作業の効率化と担当者の作業時間短縮が、マーケティングオートメーションツールのメリットと言えます。
マーケティングオートメーションツールのデメリット
どんなに優れた機能を持つツールでも、使いこなせなければ費用が無駄になってしまいます。そのためには、ツールを使いこなせる人材の育成が欠かせません。ツールのサポート体制にもよりますが、うまく運用できるようになるには、ある程度担当者の学習時間が必要です。そのため、実際に利用するマーケティング部門や営業部門が主導で行わなければ、適切なツールの選定が難しいと言えます。
また、マーケティングオートメーションツールは、顧客情報を抽出し、育成することはできますが、その情報をしっかり商談化しなければ売上につながらないのです。そのため、導入したからといって、すぐに成果が見えるものではありません。ほかの営業支援ツールともうまく連携し、売上につながるような体制を整えることが必要です。
また、マーケティングオートメーションツールには、初期費用と月額費用がかかります（※2）。費用と時間に見合った成果を十分にシミュレーションしたうえで導入を検討しましょう。
マーケティングオートメーションツールの選び方と注意点
マーケティングオートメーションツールを選ぶ最も重要なポイントが、ツールを使う目的に合ったシステムを選ぶことです。ツールの選定には、まず導入の目的をはっきりさせる必要があるでしょう。ツールによって機能や得意な領域も違うので、いくつか比較検討することが大切です。
また、マーケティングオートメーションツールは顧客一人ひとりの情報を管理して、最適なアプローチを行うことを得意とします。そのため、BtoB業界だけでなく、BtoC向けのシステムもあるのです。当然、BtoC業界ならBtoC向けのツールを選ぶことになります。 さらに、価格も選ぶ際のポイントとなります。インターネットで比較表を見ると、ツールによって価格にかなり差があることがわかります。無料トライアルを実施している会社もありますので、機能や使いやすさを検討したうえで、目的に合ったツールを選びましょう（※2）。
マーケティングオートメーション（MA）導入で見込める効果とは
従来から行われてきたマーケティングは、ひとつの手法を不特定多数の顧客に対して行うものでした。顧客のニーズが多様化している状況では、顧客が自ら必要な情報を集めて購入するケースが多くなります。
このような状況に対応するのが、マーケティングオートメーション（MA）です。この手法により、顧客一人ひとりに対するマーケティング活動が可能になるのです。 マーケティングオートメーションツールの導入には、目的をはっきりとさせ、しっかりと営業活動に結び付けることが重要となります。メリットとデメリットを踏まえ、目的や機能、価格などを十分考慮して導入しましょう。
※1.【ハンモック】BtoB企業の営業を革新するマーケティングオートメーションの歴史https://www.hammock.jp/hpr/column/022.html
※2.【マーケティングイノベーション】一目で分かる！マーケティングオートメーションツールの価格比較表
