2018.04.19
多言語化Tips
Wovn Team
WEB担必見!3ステップで大規模サイトを翻訳・運用する方法
こんにちは。WOVN.ioでセールスをしているYutoです。
WOVN.ioは様々な大手企業様にお使いいただいていますが、サイトの翻訳運用方法
- とにかくコンテンツ量が多い。翻訳管理しきれるか不安だ
- 機械翻訳の精度ってあてになるのかわからない
こういった相談を多くいただくので、この記事を作りました。参考にしていただければと思います。
WOVN.ioをサイト多言語化ツールとして検討する大規模サイトの運営者様向けに運用方法の事例をご紹介します。
〜翻訳方法について〜
WOVN.ioでは翻訳方法を3つから選ぶことができます。
・プロ翻訳…1文字5円〜発注可能 ※WOVN.io PRIMEならが可能!
・機械翻訳…Google翻訳を使用
・人力翻訳…管理画面から直接入力
ニューラルネットワークを使った機械学習によって
・訳し過ぎる(原文にない内容が訳文で現れる)・訳文が急に抜けることがある
・誤訳が急に発生する
・訳語が統一されない(同じ単語にも違う訳語が当てられる)
※機械翻訳とプロ翻訳の違いについてはこちらのブログをご参照ください。「意外と知らない?機械翻訳と翻訳家の違い。コンボで最強!」
〜サイトの翻訳運用方法〜
翻訳方針を決める
一番初めにするべきことは方針決めです。
方針決めをする目的は「翻訳するもの、しないものを決める」ことです。
最小工数でサイトごとの多言語化の目的を達成するため、基本的に以下のようなステップを踏んでいます。
- 多言語化の目的を明確にする
- 翻訳方針を決定する(人力翻訳と機械翻訳のバランス)
- チェック体制を作る
1.多言語化の目的を明確にする
サイトをして、海外のユーザーに何をして欲しいのかを明確にしましょう。目的によってサイトに求められる翻訳品質は大きく異なります。
A.B.
この2つで
例1)
複数ブランドを扱うアパレルECサイトの場合
A.商品を選び、サイト上で購入してもらう場合:
利用規約および送料や支払い説明を人力翻訳し、ブランド名などの固有名詞も翻訳修正および用語集登録で対応する。その他は機械翻訳のみで運用する
B.商品だけ見てもらい、購入は店頭に誘導する場合:
利用規約とブランド名などの固有名詞のみ翻訳修正および用語集登録で対応。その他は機械翻訳のみで運用する
例2)
国内在住外国人向け物件サイトの場合
A.物件情報を選び、サイト上で契約してもらう場合:
物件情報及び利用規約、契約書の翻訳を人力かつリーガルレビュー付きで行う
B.物件情報だけ見てもらい、契約は店頭に誘導する場合:
利用規約は人力で、他は機械翻訳のみで運用する
このようにサイトで海外ユーザーに何をして欲しいかによって、翻訳方針が大きく分かれてきます。
2.翻訳方針を決定する(人力翻訳と機械翻訳のバランス)
具体的には、「サイトのどの部分を翻訳するのか」ということです。ページ、言語数が多ければ多いほど全てを人力で翻訳するのは困難です。
例えばECサイトであれば、日本固有の単語がありますはGoogleに任せるとおかしい訳になる単語が幾つかあります。
例
・「鮭とば」→「鮭と場」と解釈され→「Salmon and place」
・「ぶぶ漬け」→「部・部、漬物」と解釈され→「Department and department pickled」
このような誤訳を直すのか直さないのかも含め、翻訳方針を決める必要があります。
サイト翻訳方針
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オススメのサイト
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サイト例
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①全部機械翻訳
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サイトの更新頻度が多く、大まかに意味が通じる翻訳で問題ないサイト
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インバウンドメディア、ECサイト
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②基本機械翻訳、
一部人力翻訳
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IR情報や利用規約など正確な翻訳が必要なページと、重要度の低いニュースや企業ブログページ等があるサイト
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コーポレートサイト、サービスサイト
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③全部人力翻訳
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明確な世界観やブランドを持っているサイト
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高級ブランドECサイト、プロモーションサイト
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※あくまで一例です。
サイト翻訳方針と、メリット・デメリットとオススメのサイトタイプを紹介します。
①全部機械翻訳
・商品紹介サイト
・機械翻訳のため、少なからず誤訳が生じる
・海外検索順位が上がりにくい可能性がある
実は大企業でも全ての外国語コンテンツを機械翻訳で運用しているクライアントはたくさんいます。
メディアや、商品紹介サイトなど意味や意図を伝えることが目的であるサイトの場合は、精度が上がったGoogle翻訳のみでOKだと判断していることが多いです。固有名詞単位だとGoogleの翻訳がめちゃくちゃなことはありますが、説明などの長い文章を読むと意味が通じるものもあるからです。
ちなみに、仮説ですがGoogle翻訳の場合は元言語or翻訳言語が英語のものは精度が高くそうではないものはまだまだ改善余地があるものが多いです。
また、タイトルやディスクリプションも機械翻訳のため、海外の検索順位はあまり高くならない可能性があります。
とはいえ、工数をかけず大量にページを翻訳し、検索エンジンにさせることができるのは大きな魅力と言えます。
※仕組みについてはこちらをご覧ください。
またこれは別途機会がある際に紹介しますが、機械翻訳で複数言語に翻訳したい場合は英語を元言語にしたグローバルサイトを持つ方法もおすすめです。そうすることで、海外では運用していないサービスや商品など、国内サイトでは出したくない情報を最初から排除した状態で運営できます。
・コーポレートサイト
・その他ページ数の多い
WOVN.ioではこの手法をとるクライアントが一番多くいらっしゃいます。
あるコンテンツは意味を誤解ないよう伝えるよう工夫しなければいけない一方で多くのコンテンツは意味が大まかに伝われば良いため機械翻訳でというパターンです。
一番典型的な例がECサイトだと思います。ECサイトでは商品が定期的に更新されているため、多言語対応したい場合は途方もない翻訳工数が予想されます。また、特徴的な商品名がある場合は、Google翻訳がおかしな翻訳をする可能性があるため、この場合、翻訳修正が必要になります。
目的に応じて利用規約や、固有名詞など翻訳をしたい部分をあらかじめ決めた上で運用しましょう。
売り上げランキングやPV順に人力翻訳しているクライアント様もいます。指摘があった際に修正するというスタンスをとるクライアント様もいます。
例えば、飲食店を紹介するメディアを運営されているfavy様が該当します。
更新は機械翻訳がメインですので新しいコンテンツも自動で翻訳公開されます。クライアントや社内から「固有名詞の翻訳を直して欲しい」という声が上がった時に、WOVN.ioの管理画面から更新しています。
メリット
・世界観やブランドを維持したまま、多言語化が可能
・現状の翻訳リソースを有効活用可能
・翻訳工数がかかるため、サイトの公開スピードが機械翻訳併用に比べて遅い
既に外国語ができるスタッフがいたり、全ての翻訳にチェックを入れる体制を持っているのであれば全ページを人力翻訳する事もWOVN.ioでは可能です。この手法をとっているクライアント様は世界観やブランドを非常に大切にする方針を持っていることが多いです。しかし、この運用方法は翻訳のリソースおよび予算を多く割けることが前提の方法です。
更新が多いサイトでは翻訳の管理が非常に大切です。大きく分けてやることは2つありますが、まずこの3つを定義しないと、
- 翻訳チェックするタイミング
- 翻訳チェック方法
- 公開タイミング
翻訳が本来意図していた内容と異なった状態で公開されてしまう事で、会社のイメージダウンなどに繋がる可能性があります。
また、新しくページが公開されるたびに翻訳も行わなければいけないので工数が多くかかります。
効率的にチェックを進めるコツをご紹介します。
共通の資料で確認する必要があります。
複数店舗や海外支店などメンバーが点在している場合は共同編集できるスプレッドシートを用意し、状況を共有し合いながら作業しましょう。Googleのスプレッドシートがおすすめです。
ここにフォーマットの例を用意しました。よかったら使ってみてください。
やること② 翻訳チェック・公開のタイミングを事前定義する
月に5回以上更新があるサイトの場合、翻訳およびそのチェックに非常に多くの工数がかかります。更新の度に翻訳を行うのではなく、月に1-2度にわけまとめて行うことで工数を圧縮することができます。サイトの更新回数に応じて翻訳チェックおよび公開のタイミングを事前に定義することをおすすめします。
多言語化で一番大事なのは、「やること」と「やらないこと」を明確にし、最小の工数で求める目的に対して最善の方法を見つけることです。
ご紹介した
- 多言語化の目的を明確にする
- 翻訳方針を決定する
- チェック体制を作る
この三点の手順を順番にやればきっといい方法がみえてくるはずです。
WOVN.io PRIMEではこの三点の手順をコンサルし、最適な翻訳方法をご提案させていただいています。
弊社では大規模サイトでの導入をご検討の方に無料相談を実施しているので、お気軽にお問い合わせください。
無料相談では会員登録やインストール一切なしでテレビ通話をつなぎ、WOVN.ioのデモをさせていただくことができます。
また、記事についてのご質問があればお問い合わせフォームかyuto@wovn.ioへ「記事について」という題名でいつでもご質問ください。
<筆者プロフィール>
Yuto Takagi
WOVN.ioでグロースハックとセールスを担当。
タイ料理がだいすき。
タイには5回旅行行きました。インドも好きです。インドではスマホと靴とクレカを無くしましたが元気です。
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