インバウンド需要とは何か?


ニュースでもよく耳にする「爆買い」。中国人の旅行者が日本の家電をまとめ買いするというイメージが強いですが、需要を集めているのは家電だけではありませんし、中国人旅行者のみが増えているわけでもありません。日本への旅行者はアジアを中心に世界中で増えていて、日本の商品やサービスの多くが彼らによって消費されています。

「インバウンド需要」という言葉から、日本へと旅行に来る外国人の実態、インバウンド需要の影響を探ってみましょう。

 

インバウンド需要とは

インバウンド(inbound)には「到着する、入ってくる」といった意味があります。業界によってさまざまな使われ方をされる言葉ですが、旅行に関して言えば外国からの旅行者を指します。つまりインバウンド需要とは、日本に訪れた外国人の日本国内で生み出された商品やサービスへの需要ということです。

「爆買い」もインバウンド需要の一種です。インバウンド需要は、GDPでは輸出にあたります。経済学には、輸出が増加すると国民の収入が増えて国内の消費も増加するという理論があります。さらに、消費が増えるとまた誰かの収入が増えてもっと消費が増えるという好循環が発生するので、インバウンド需要による経済効果は、単純な輸出額の増加よりも大きなものとなるのです。

高齢化と少子化の影響で国内の需要が伸び悩んでいるなかで、その代わりに外国からの需要を取り入れて収益を得ようとしている企業も増えています。また、国内の旅行者は長期休みなどにまとめて移動するため、国内だけで考えると繁忙期と閑散期の差が大きくなってしまいますが、外国からの旅行者は閑散期に来ることも多く、収益や仕事の調整が楽になるということも企業がインバウンド需要を取り込もうとする一因になっています。

 

インバウンドが注目されている背景とは

日本政府観光局の統計によると、日本を訪れた外国人旅行者前年からの伸び率は、2015年が47.1%と、統計を開始した1964年から2016年までで一番の伸び率を記録しました。2位は1970年の40.4%ですが、2012年は34.4%、2013年は24.0%、2014年は29.4%、2016年は21.8%と連続して30%以上を記録した時期は過去にありません。

インバウンドの反対でアウトバウンドという言葉があります。インバウンドを訪日外国人と訳したときには、アウトバウンドは出国日本人です。インバウンドがアウトバウンドを上回ると、外国に行った日本人よりも日本に来た外国人のほうが多いということになります。1970年まではインバウンドが上回っていたのですが、それからしばらくはずっとアウトバウンドのほうが多かったのです。それが、2015年には出国日本人約1600万人に対して、訪日外国人は2000万人と、45年ぶりに訪日外国人観光客が上回りました。2016年も人訪日外国人観光客のほうが約700万多く、日本のGDPの増加に大きく貢献してくれたと言えます(※1)。 このように、経済が失速傾向にある日本国内においてインバウンドに注目が集まる背景には訪日外国人観光客の増加があり、彼らによる消費行動が経済活性化を生み出すことが期待されています。

 

インバウンド効果の見込める注目の業界とは

訪日外国人観光客が増えることによって収益が増加する業界は、宿泊業、観光業、飲食業、航空業界、鉄道業界などが挙げられます。旅行者は主に商品やサービスの消費を行うので、このような業界にインバウンド需要が集中することが予想されています。

たとえば、宿泊業界では東京オリンピックでさらに増えると考えられるインバウンド需要の取り込みに向けて、大規模な改装工事、または新規建築を行うホテルが増えているなど積極的に訪日外国人観光客を呼び込もうとする動きが活発です。

 

時間帯までも意識したインバウンド戦略とは

インバウンド需要を収益につなげるには、訪日外国人観光客の特徴を踏まえる必要があります。ツアーで来る訪日外国人観光客は、日中はツアーの行程を回るので忙しく、自由に買い物ができる時間は夜から深夜にかけてということが多いです。つまり、この時間帯が活発に買い物をする時間となります。

大手小売店には、24時間営業や免税店、店舗数の多さなどから早くにインバウンド需要の恩恵を得られたところもあります。小売店だけでなく迎賓館や京都の寺院でも夜間のライトアップなどを行い、夜間の旅行者を惹きつけるような戦略を実行しており、インバウンド需要を焦点とした競争が繰り広げられています。

 

インバウンド対策のポイントとは

どの国から多くの訪日外国人観光客が来ているのかというと、やはり最も多いのは中国です。日本政府観光局の統計によると、2016年には約640万人もの人が中国から日本へと旅行に来ています。2番目以降は韓国から約510万人、台湾から約420万人、香港から約180万人、アメリカから約120万人という順になり、その他の国からは100万人未満となっています(※1)。

ツアーで来る人ならまだしも、個人旅行者にとっては言語の壁は高いものです。訪日外国人観光客向けに自社のwebサイトを翻訳するときには英語で翻訳しようと考える人が多いかもしれませんが、この統計をもとに考えればアジアの言語での翻訳のほうが大きな効果を生む可能性もあります。 外国からの旅行者による消費を指す「インバウンド需要」は、東京オリンピックに向けてさらに増加することが予想されています。インバウンド効果が期待できる業界では、どれだけ外国人旅行者を取り込めるかが競争の要となるでしょう。

 

※1.【日本政府観光局(JNTO)】統計データ(訪日外国人・出国日本人) http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/index.html

翻訳・多言語化の決定版
WOVN.io

最短5分であなたのウェブサイトを翻訳・多言語化対応!!